Shopeeなどの越境ECに出品するためには、仕入れ値やシステム手数料だけでなく、為替や国際便の送料を考慮して、利益の出る価格を計算する必要があります。
ここでは、越境ECに出品する商品の管理表を、無料のGoogle スプレッドシートで作成する方法の一例を紹介します。
スプレッドシートのタブの構成
商品登録から利益計算までを一貫して管理するため、いくつかのタブに分けてファイルを作成します。
- 『マスター管理表』:出品する商品を登録します。
商品番号、商品名、仕入先URL、仕入れ価格、仕入先の配送日数、メーカーの公式URLページ、商品重量、梱包材などの列を作る。
仕入先URLには、定期的な在庫管理のため、仕入先と見込んでいるAmazon等の商品ページのURLを入れる。
出品ページの商品説明のため、メーカー公式の商品紹介ページのURLも入れる。
「条件付き書式」(外部リンク)により、売れた商品の行の色が変わるようにしておき、出品後に売れない商品の削除や、これから出品する商品の指針にする。
- 国別の『管理表』:国別の出品価格を計算します。
マスター管理表のコピーを元に、出店する国別に管理表を作る。
マスター管理表に手入力した情報は、商品番号により国別の管理表に自動反映させる。
更に、仕入れ価格、国ごとの送料、為替レート等から、出品価格の計算式を組む。
出品価格の他、売上日の列も作る。
- 『参照用』:出品価格の計算に必要な情報を登録します。
梱包材の重量、為替レート、国際便の料金表を登録。
- 『売れた後』:商品が売れたことによる収益を計算します。
商品が売れたら、売れた国の『管理表』に売上日を入力するとともに、その商品の行をコピーし、このタブに「値のみ」ペーストして使う。
ペーストされる列よりも右側に、収益の計算式、発送手順のチェックシートを作る。
- 『為替』:売上日の為替レートを利益計算に反映させるため、過去の為替情報を登録します。
過去の為替レートを金融機関(みずほ銀行のHPへ外部リンク)の情報からコピー&ペーストしておく。その情報を元に、売上日の為替レートで収益を円換算する。
- 『利益集計』:月ごとに利益を集計します。
『売れた後』のタブで計算した収益を発送月ごとに合計し、その月の費用を差し引きし、月の利益を集計する。
- 『費用』:日毎の費用を登録すると共に、その月ごとの集計をします。
梱包材等の消耗品費、Amazonプライム会費、地代家賃(Shopeeの作業に使用する分の家賃を按分計算)を入力して、集計し、『利益計算』に反映させる。
使用するスプレッドシートの関数
ここでイメージしている管理表の作成に使用する関数です。
- 「VLOOKUP」(外部リンク):商品番号を検索キーにして、『マスター管理表』の情報を国別の『管理表』に反映させる。商品重量と梱包材の重量の合計を検索キーにして、国際便の料金表を出品価格の計算式に反映させるのにも使用。
- 「IF」(外部リンク)もしくは「IFS」(外部リンク):梱包材の種類からその重量やゆうパックの送料を計算式に反映させたり、売れた国ごとに、収益の計算式を使い分けたり、発送手順チェックシートの必要項目を変化させたり、様々に使用。
- 「GOOGLEFINANCE」(外部リンク):為替レートが自動更新されることで、『管理表』上の出品価格を随時変化させられる。
まとめ
ここで紹介した管理表のイメージは一例です。
ネット上には、越境EC用の管理表として使えるエクセルやスプレッドシートのデータも公開されています。
それらを使う場合でも、自分の目的に合わせて拡張できると便利です。