退職後の国民年金保険料は免除になる? 失業による特例免除をわかりやすく解説
国民年金保険料

お姉ちゃん

ボク

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お姉ちゃん
そん…な…。退職したばかりでこんな大金、払えないよ-

ボク
会社を退職したばかりで、「前年の年収が高かったから国民年金保険料の免除は受けられない」と思っていませんか?
実は、「失業等による特例免除(以下、特例免除)」を利用すれば、退職した本人については前年所得を0円として免除審査が行われます。そのため、会社員時代に高収入だった方でも、免除が認められる可能性があります。
また、退職後に再就職したからといって、特例免除の可能性がなくなるわけではありません。
この記事では、特例免除の仕組みや対象期間、再就職した場合の扱い、申請方法まで詳しく解説します。あわせて、ご自身が対象になるかどうかをその場で確認できる判定ツールも用意しました。
特例免除とは?
国民年金保険料の免除制度では、通常、次の3人の前年所得をもとに審査が行われます。
しかし、失業や退職など一定の理由で離職した場合は、「失業等による特例免除」を利用できます。
この特例では、退職した方の前年所得を0円として審査します。
そのため、退職前に高収入だった方でも、免除を受けられるかもしれません。
ただし、退職した方以外の所得については通常どおり審査されるため、その所得によっては免除が認められない場合があります。
特例免除の対象期間
特例免除の対象となるのは、離職した日の属する月の前月から、離職した年の翌々年6月までの期間です。
この期間に含まれる月の保険料については、退職した方の所得を0円として免除審査を受けられます。
例えば、2026年(令和8年)3月に退職した場合、
- 対象期間の開始:2026年2月(離職月の前月)
- 対象期間の終了:2028年6月(離職した年の翌々年6月)
となります。
ただし、免除の申請は、申請する時点から2年1か月より前の期間についてはさかのぼることができません。そのため、退職からしばらく経ってから申請する場合は、実際に免除を受けられる期間が短くなることがあります。早めの申請をおすすめします。
「納付猶予制度」との違いにも注意
ここまで解説してきた「免除」とは別に、「納付猶予制度」という制度もあります。名前が似ていて混同しやすいため、違いを押さえておきましょう。
納付猶予制度は、50歳未満の方が対象です。免除にはこの年齢制限はありません。
所得の審査対象も異なります。免除は本人・配偶者・世帯主の3人の所得で判定されますが、納付猶予は本人・配偶者の所得のみで判定され、世帯主の所得は問われません。
そのため、たとえば親と同居していて親(世帯主)の所得が高いケースでは、免除は通らなくても、納付猶予なら対象になる可能性があります。
ただし、将来の年金額への影響には注意が必要です。納付猶予期間は老齢基礎年金の受給資格期間には算入されますが、追納しない限り、将来の年金額には一切反映されません。免除は追納しなくても一定割合が年金額に反映されるため、この点が大きな違いです。
なお、納付猶予制度は令和12年6月までの時限措置とされています。
自分は対象になる?かんたん判定ツール
対象期間の考え方や所得基準は少し複雑です。そこで、本人・配偶者・世帯主の所得や退職(離職)年月を入力するだけで、対象となる可能性のある免除区分の目安がわかる判定シミュレーターを用意しました。
国民年金保険料 判定ツール
免除・納付猶予 かんたん判定シミュレーター
本人・配偶者・世帯主の前年所得等を入力すると、申請できる可能性のある免除区分の目安がわかります。
ご利用にあたって:この結果はあくまで目安です。実際の可否は日本年金機構の審査によって決まります。扶養親族の控除額は年齢区分から自動計算していますが、配偶者控除等や社会保険料控除・医療費控除等の実額は源泉徴収票・課税証明書等でご確認のうえ入力してください。
📄 会社員の方:源泉徴収票のどこを見ればいい?
📄 フリーランス・自営業の方:確定申告書のどこを見ればいい?
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申請予定年月
特例免除の対象期間の計算に使用します
実際に年金事務所・市区町村窓口へ申請書を提出する予定の年月を入力してください。
免除の審査は、毎年7月から翌年6月までを1年度として行われます。これから先の期間を免除申請する場合、1月から6月までに申請するなら前々年の所得、7月から12月までに申請するなら前年の所得が審査対象となります。
一方、過去にさかのぼって申請する場合は、申請する時期にかかわらず、その免除申請期間に対応する前年の所得で審査されます。
ツールの「前年所得」欄には、確認したい免除申請期間に対応する年の所得を入力してください。
なお、判定結果はあくまで目安です。正式な可否は、年金事務所での審査により決まります。
再就職しても特例免除の対象になることがある
「一度就職したら特例免除は使えなくなる」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
退職と次の就職の間に1日以上の空白期間があり、離職として取り扱われる場合は、上記の対象期間内であれば、再就職後も失業による所得の特例を受けられる可能性があります。
例えば、
このように1日以上の空白期間があれば、離職の要件を満たすと考えられます。
一方、
のように空白期間がない場合は、離職として扱われず、特例免除の対象にならないと考えられます。
実際に特例審査の対象となるかは、年金事務所または市区町村の国民年金担当にお問い合わせください。
免除が承認されるとどうなる?
免除が承認されると、その期間の保険料は未納として扱われなくなります。そのため、督促状が届いたり、財産の差し押さえなどの強制徴収を心配したりする必要がなくなります。
また、免除された期間も、老齢年金を受け取るために必要な受給資格期間(保険料納付済期間などと合わせて10年以上)に算入されます。あわせて、障害年金や遺族年金を受け取るための保険料納付要件についても、免除期間は納付済期間と同じ扱いになります。
さらに、免除が承認された期間は、将来の老齢基礎年金の受給額にも一定割合が反映されます。
| 免除区分 | 将来の年金額への反映割合 |
|---|
| 全額免除 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 8分の5 |
| 半額免除 | 4分の3 |
| 4分の1免除 | 8分の7 |
| 全額納付 | 満額 |
※令和21年4月以降の免除期間についての割合です。
将来、経済的に余裕ができた場合は、10年以内の分は追納することで年金額を満額に近づけることもできます。
特例免除を申請する際の必要書類
申請は、市区町村役場や年金事務所のほか、マイナポータルを利用した電子申請でも行えます。
特例免除の場合は、通常の申請書類に加えて、失業等の事実を確認できる書類が必要です。会社員で雇用保険に加入していた方は、次のいずれかを用意しましょう。
- 雇用保険被保険者離職票(勤務先から交付)
- 雇用保険受給資格者証、または雇用保険受給資格通知(ハローワークから交付)
雇用保険に加入していなくても、失業等の事実を確認できる書類を用意し、失業の状態にあることの申し立てをすることで、特例の申請はできます。
自営業を廃業した場合は、税務署への廃業届の写しなどが、失業等の事実を確認できる書類となります。
年金機構所定の書式にて、前の勤務先に「離職証明書」を作成してもらうことで対応できることもあります。
なお、同じ失業等の理由で過去に一度これらの書類を提出している場合は、あらためて添付する必要はありません。
その他、知っておきたいポイント
免除は毎年度申請が必要
国民年金の免除は、毎年7月から翌年6月までを1年度として審査されます。
ただし、全額免除または納付猶予が承認された方は、翌年度以降も同じ区分を希望する場合、あらためて申請しなくても「継続審査」という形で自動的に審査してもらえます。
一方、失業等による特例免除の承認を受けた方は継続審査の対象外のため、翌年度も改めて申請が必要です。
未納のまま放置しない
保険料を未納のままにすると、老齢基礎年金だけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給資格に影響する可能性があります。
保険料の納付が難しい場合は、未納のままにせず、免除や納付猶予の申請を行いましょう。
保険料には時効がある
国民年金保険料は、納付期限から2年を過ぎると原則として納付できなくなります。
免除申請も早めに行うことが大切です。
まとめ
失業等による特例免除は、退職後の国民年金保険料の負担を軽減できる重要な制度です。
特に、前年の所得が高かった場合でも、退職した方については所得を0円として審査されるため、免除が認められる可能性があります。
また、退職後に再就職した場合でも、離職の要件を満たしていれば、対象期間内は特例の対象となる可能性があります。
上の判定ツールでおおよその目安を確認したうえで、保険料を未納のまま放置せず、市区町村役場や年金事務所で相談し、早めに免除申請を行うことをおすすめします。