休学してGPAと奨学金に救済を

休学

 大学、行けてますか? 

 あるいは高校からの急激な環境の変化で、大学に行くのが難しくなってしまった方もいるかも知れません。
 大学に行けないことが多く長くなれば、それにつれて単位の心配も深刻になり、引いては留年という事態も顔をのぞかせます。
 GPA(評点の平均値)への悪影響も心配です。
 留年となると、奨学金を受けていてもそれが受けられなくなるのではなかろうか。そして、家計の負担にまで重い想いを馳せてしまっては、気力がますます押し潰されるばかりです。

 にも相談できず、悩みを一人抱えていませんか? あるいは、お子様が知らないうちにそんな苦境に陥ってはいないでしょうか?

 ここでは、大学に行けない事情を社会に汲んでもらうための手続きを、必要としている方に届けたいと思います。
 悩みを抱えている大学生は、に相談しましょう。相談できる親がいなければ、学校に相談しましょう。お子様の苦境を知った親御様も、家計の出費を覚悟するだけでなく、学校に相談しましょう。
 ここで提案したい学校への相談テーマは、休学についてです。
 休学することで、ずっと出席ができずに単位が取れる見込みのない学期を、GPAに反映させないようにできるかもしれません。受けている奨学金も、休学期間中に休止するだけで、復学後には再開できるかもしれません。

 先が分からず心配なまま、学校に行けない日々を積み重ねるよりも、そうした事情のために用意された社会的仕組みに目を向けてください。
 休学により、GPAの悪化を止めるとともに、奨学金廃止を免れることがある-そのことを知らずに悩みを深めていた方にこの記事が届き、多少でも助けになれば嬉しいことです。

[この記事のテーマ]

  • 病などで長期に大学に通えないのであれば、休学の検討を
  • 休学して成績の対象外になった学期はGPAに反映されない
  • 奨学金は成績悪化により留年すると受け取れなくなるが、休学による卒業延期であれば、復学後に再開できることがある

休学とGPA

GPAとは

 GPA-私が学生の時には聞いたことがありませんでした。
「評点の平均値」ということで、成績をGP(Grade Point)という0~4の数値に置き換えて、その平均(Average)で算出したものを指すようです。
 就職活動において、企業によってはこのGPAを見ることがあると聞きます。

出席しないとGPAは……

 さて、GPAは「科目の単位数」と「成績評価のGradePoint」の積の総和を、「履修科目の単位数の合計」で割って計算されます。
 ということは、学期の始めに履修申告しながらも、授業に出席することができずに結果として単位が取れなければ、分子(成績)は0のまま分母(履修単位数)だけ増えることになるので、不本意な平均値がGPAとして残ってしまいます。
 ただでさえまいっているところに、そんな将来の不安をさらに背負い込みたくはありません。

休学することでGPAは-

 ところが、学期の開始前休学してその学期の履修申告をしていなければ、GPAの計算式に反映される成績も履修単位もないため、GPAに影響はありません
 また、学期途中で休学し、その学期の履修科目が全て無効となった場合も、上記と同様にGPAに影響しないこととなります。
 黙って欠席を続けて単位を落とすよりも、休学することでGPAの悪化を避けたほうが、正当な評価につながります。
 ただし、学期中の休学が認められるかどうかは学校の判断にかかっており、手順も踏むため、成績が決まる試験期間近くに相談を始めても、認められない恐れがあります。
 休学するかどうかに迷いがある段階でも、学校への相談は早めにすることをお勧めします。

休学による授業料、費用

 休学した場合の授業料の扱いについては、学校によってまちまちです。
 一般的に多いのは、学期の全期間を休学していれば授業料は免除となるが、学期途中からの休学では授業料は返還されない。更には、休学費用が別途発生する、というものです。また、後述する日本学生支援機構(JASSO)による奨学金も、休学すると休止されます。
 せっかく払った授業料が返ってこないのならと、出席できず単位取得の見込みがないのに休学手続きを次の学期まで待つと、今学期の0成績がGPAに反映されてしまいます。
 今学期の成績をGPAに反映させないようにするため、休学費用を追加で払ってでも、学期の途中からの休学を検討する価値はあると思います。体調などの個別の事情も鑑みてのことにはなりますが。

休学と奨学金

 この段落は、日本学生支援機構(JASSO)から奨学金を受けている方についての話です。

留年すると奨学金は「廃止」

 卒業延期が確定した場合、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は原則として「廃止」となります。
 成績不振により留年が確定したら、奨学金は受け取れなくなるということです。
 ただし、休学したことにより卒業が延期した期間については、この「廃止」に当たりません

休学すれば奨学金は「休止」

 休学期間中の奨学金は「休止」されますが、復学後に「復活」の手続きをすることにより、奨学金の支給が再開されることがあります
(学力基準、家計基準、休学期間等により再開されないこともありますので、個別の条件は学校にご確認ください。)
 復学後に必ずしも奨学金が再開されるとは限りませんが、ただ留年するだけでは確実に「廃止」されてしまうので、休学して奨学金を「休止」しておくことは有望な選択肢だと思います。

(「奨学金の休止・復活(休学・復学)」参照。日本学生支援機構HPへ外部リンク)

まとめ

  • 休学して履修科目がなくなった学期はGPAに反映しない
  • 休学することで、奨学金成績不振による卒業延期からの「廃止」でなく、休学中の「休止」となり、復学後「復活」の手続きをすることにより再開されることがある
  • 学校に行けない事情を抱えた学生の方は、一人で悩まず、親や学校に相談してください!

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