年金の住所はどうなってるの?

年金記録

 今回は、年金に関する住所のお話です。

 年金の住所は、どうやって登録されているかご存知でしょうか?

 簡単なようでいて複雑なこの問いについて、整理してご紹介したいと思います。

日本年金機構への住所変更の手続き

 基礎年金番号には現在マイナンバーが登録されており、住民票の住所が変更されれば、国民年金と厚生年金の住所も連動して変更されます。

 ただし、この仕組みが始まったのは、平成30年3月5日からです。

年金受給者の方は、平成23年7月より住民基本台帳ネットワークにより住所連動済み)

 それより前は、年金の住所変更にも届出が必要でした。

 では、今は住民票と年金の住所が一致しているかというと、ややこしいことに、そうでない場合があります。

 この連動の仕組みは、住民票の住所が変更された際に年金に対して情報提供がされるので、以前から住所の違いがあれば、次の引越しまでは違ったままになるからです。

 例えば、厚生年金加入者の方が、平成30年3月より前に引越しをしていた際に、お勤め先から日本年金機構に住所変更届が出されてなかった場合などは、今でも年金の住所は引越し前のままということがあるのです。

 このように、今でも年金の住所が古いまま、あるいは間違ったままだと分かった場合の、住所変更届の提出先は、以下の通りです。

国民年金第1号被保険者(自営業者等)

 市区町村役場に住所変更届を提出します。ただし、以前から市区町村役場では住民票や健康保険ともに、年金の住所変更届も案内されていたはずなので、国民年金1号被保険者だった時の住所変更もれは、あまりないと思われます。

国民年金第3号被保険者(会社員の被扶養者配偶者)

 配偶者様のお勤め先に住所変更届を提出し、そこから日本年金機構に提出されます。

厚生年金保険加入者

 お勤め先から日本年金機構に住所変更届を提出します。

年金受給者

 ご本人様から年金事務所に住所変更届を提出します。

年金請求待機者(60歳以降で年金の加入者でなく、年金受給前の方)

 ご本人様から年金事務所に住所変更届を提出します。

 なお、国民年金第1号被保険者以外は、上記の届出方法で、住民票とは別の住所(居所)を、年金に関する通知書の送付先として登録することが可能です。

年金の住所の確認方法

 では、年金の住所の確認方法についても、ご紹介します。

「ねんきんネット」

「ねんきんネット」(日本年金機構ホームページへ外部リンク)は、一度登録しておけば、いつでも住所も含めた年金記録等を確認できて便利です。

 ただし、昭和61年4月1日より前から老齢年金の受給権がある方は利用できません

「ねんきんダイヤル」

「ねんきんダイヤル」(日本年金機構ホームページへ)で基礎年金番号を伝えれば、本人確認の上、登録されている住所お申し出の住所と間違いないか、聞けるはずです。

 住所を教えてください、だと個人情報の問題で教えてもらえないと思います。

「ねんきん定期便」

 年金の加入者であれば、毎年お誕生月にハガキで「ねんきん定期便」が届いているはずです。

35歳・45歳・59歳には、封書で届きます。なお、「ねんきんネット」でペーパーレス化を登録していると、封書で来る年齢以外の「ねんきん定期便」ハガキは送付されません)

 郵送で届いた「ねんきん定期便」の宛先として印字されている住所によって、年金の住所が確認できます。

 ただし、「ねんきん定期便」は送付の2ヶ月前の情報で作成されているのと、マイナンバーによる住所連動にもタイムラグがあるため、引っ越したばかりだと、古い住所が宛先に印字されて送付される可能性があります。

(引っ越してすぐの郵便物は、郵便局に「転居届」を出しておき、転送してもらいましょう)

「年金額改定通知書」「年金振込通知書」

 年金受給者の方には、毎年5月か6月の上旬にこれらの通知が届くので、その宛先として印字されているから住所から、年金の住所が確認できます。

お勤め先から日本年金機構に確認してもらう

 これは現在、厚生年金加入中の方か、国民年金第3号被保険者の方の確認方法です。

 お勤め先が「厚生年金保険被保険者・国民年金第3号被保険者住所一覧表提供申出書」を年金事務所に提出することで、その事業所の従業員と被扶養配偶者の年金の住所が確認できます。

年金の住所が違っていてると困ること

 年金の住所が正しく登録されていないと、日本年金機構から送付される書類が、お手元に届かない恐れがあり得ます。

 以下に、年金に関して送付される主な書類等を紹介します。

国民年金第1号被保険者(自営業者等)

 年度始めなどに国民年金保険料の納付書が送付されます。

 これには口座振替等様々な支払い方法や、免除申請の案内なども同封されています。

 届いていてもうっかり後回しにして忘れて、保険料を未納にしてしまうと、年金の給付が目減りしたり受けられなくなる恐れがあるので、注意しましょう。

年金加入者

 年金加入者の方には、毎年お誕生月に、ハガキで「ねんきん定期便」が届きます。

 これには、年金加入記録や将来の受け取る年金の見込み額などが記載されています。

 35歳・45歳・59歳には、より詳細な年金加入記録等のお知らせが、封書で届きます。

 なお、「ねんきんネット」でペーパーレス化を登録していると、封書で来る年齢以外の「ねんきん定期便」ハガキは送付されません。

老齢年金受け取り前の方

 老齢年金を受け取る年齢を迎える3ヶ月前に、「年金請求書」が郵送で届きます。

 これが来ることで、年金の請求もれが予防できると思います。

 ただし、基礎年金番号に登録された年金記録から老齢年金を受け取るが確認できない場合は、「年金請求書」は送られて来ないので、その場合は年金事務所に、年金記録や年金を受け取る権利について確認しましょう。

年金受給者の方

  毎年5月か6月の上旬に、「年金額改定通知書」「年金振込通知書」が届きます。

「年金額改定通知書」はその年度における年金額の改定をお知らせするもので、「年金振込通知書」は、年金の振込額の変更をお知らせするものです。

 

65歳前に厚生年金を特別支給で受け取っている方

 65歳を迎える月の初めに、65歳以降の老齢年金「年金請求書」(ハガキ形式)が届きます。

 繰り上げしたものでなければ、65歳前から受け取り始める厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)は、65歳になるまで支給されるものです。

 そして、65歳になったら改めて、「年金請求書」(ハガキ形式)を提出することで、それ以降の老齢基礎・厚生年金の支給が始まります。

 なお、65歳時点では老齢年金を受け取らずに、66歳以降に繰り下げて請求することで、受け取る年金を増額することもできます。

まとめ

 年金の住所は、基本的には住民票と連動するけど、平成30年3月より前年金住所の違いそのままになっています。

 なお、基礎年金番号にマイナンバーが登録されているかを確認するには、「ねんきんネット」「利用者情報」欄を確認するか、年金事務所へ問合せをしましょう。

 マイナンバーが登録されていなかった場合は、「個人番号登録届」を年金事務所に提出します。

年金記録
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