うつ病から退職する場合の公的支援3選+1

休職にまつわるお金の話

自立支援医療制度(※)

 うつ病などで継続的に精神科に通院することになった場合に、医療費の自己負担を通常の3割から1割に軽減する制度。
 自治体によっては残る1割の自己負担も支援して、自己負担が0円になるところもある
 ただし、この制度の対象になる場合でも、申請した日以降の診療分しか支援の対象とならない。申請先は居住地の市町村
 このようにメリットの大きい自立支援医療制度だが、病院から特に教えられないケースも珍しくない病院から教えられなかったからといって、症状的に制度の対象外という意味ではないので、早めに積極的に、病院に相談すると良い。
 診断書の作成には料金が必要。病院によるが、5,000円前後が目安。
(※詳細の説明は外部リンクへ)

傷病手当金(※)

 業務外の病気やケガで連続3日間(待期期間)仕事を休むと、4日目から支給される健康保険の制度。なお、この待期期間には有給休暇、土日・祝日等も含まれる
 支給される期間は通算して1年6ヶ月が限度(令和4年1月1日より前は、通算ではなく、支給開始から1年6ヶ月が支給期間の限度だった)。
 支給される日額は、支給開始日以前の12ヶ月間の標準報酬月額(外部リンクへ)の平均を30日で割った額の2/3
 会社を退職してからも、退職日までに健康保険の加入期間が継続して1年以上あり、退職時点で現に傷病手当金を受けているか、受けられる条件を満たしていれば退職後でも引き続き傷病手当金の支給を受けることができる
(※詳細の説明は外部リンクへ)

雇用保険の失業給付を受けることができる日数(所定給付日数)の延長

 失業給付の所定給付日数は、一般には雇用保険に加入していた期間算定基礎期間)によって決められる。
 ただし、倒産や解雇等により離職した特定受給資格者、期間の定めのある労働契約が期間満了後に更新されなかったことなどにより離職した特定理由離職者障害者などの就職困難者は、一般よりも所定給付日数が延長されることがある。(※詳細の説明は外部リンクへ)
 うつ病により退職したのであれば、ハローワークの窓口でその事情を話し、就職困難者としての手続きを相談すると良い。

給付奨学金

 最後に、+1。
 うつ病で休職したり退職する時に、子供が大学生・専門学校生等に進学するか通学しているのなら、給付奨学金(返済不要)(外部リンクへ)の受け取りを検討すると良い。
 これは2020年4月から始まった制度で、従来の貸与奨学金と違い、返済不要
 支給される条件として学力基準(外部リンクへ)と家計基準(外部リンクへ)がある。
 家計基準の中の収入基準は、春採用の場合、前々年の収入が審査対象となり、秋採用の場合、前年の収入が審査対象となる。
 ただし、父母など生計維持者病気などにより休職したり、解雇や病気などを理由に非自発的失業をした場合などの場合、その事情が発生した以降の年間所得の見込額が勘案される。(家計急変採用詳細の説明は外部リンクへ)
 家計急変採用により給付奨学金(返済不要)を申し込む場合、その事情の発生から3ヶ月以内に申し込む必要がある。ただし、その事情の発生が大学等進学前なら、進学後3ヶ月以内に申し込む必要がある。
 2023年度の支給される金額の一例として、私立の大学自宅通学する場合、支給金額の満額(第Ⅰ区分)は月額38,300円(※)。この他、授業料年額で700,000円を上限として減免される。入学金の減免額の上限は260,000円入学金の減免申請は入学後3ヶ月以内)。
(※その他区分の金額の参照は外部リンクへ)
 自立支援医療制度と同様に、知らないと教えられないかもしれない、メリットの大きい制度。
 返済不要

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