休職中、年末調整未申告の控除のため還付申告→20万円以下の株の利益も申告必要

休職にまつわるお金の話
ボク
ボク

お姉ちゃん、ごめん!

お姉ちゃん
お姉ちゃん

どうしたの?

ボク
ボク

お姉ちゃんの去年の生命保険料控除、会社に年末調整を頼まなくても、確定申告すればいいって話……

お姉ちゃん
お姉ちゃん

ああ、休職中で会社に面倒なこと頼みたくなかったしね

ボク
ボク

だけど、確定申告すると、余計な所得税がかかっちゃうんだった

で利益が出たから

お姉ちゃん
お姉ちゃん

え? 20万円以下なら税金かからないんじゃないの?

ボク
ボク

いやそれが、20万円以下で確定申告不要なのは所得税の話

住民税は20万円以下でも申告必要で課税されるんだよ

お姉ちゃん
お姉ちゃん

あ、そうなんだ

それで、余計な所得税がかかるってどういうこと?

ボク
ボク

生命保険料控除を所得税に申告して還付を受けようとすると、20万円以下の所得も併せて申告が必要になるんだよ!

お姉ちゃん
お姉ちゃん

……じゃあ、やっぱり株の利益には所得税も住民税もかかるってこと? 

そういう法律なら、しょうがないよ

ボク
ボク

いや、所得税の生命保険料控除を諦めて、年末調整のままにしておこう

そうすれば、20万円以下の株の利益は所得税の申告不要だから

お姉ちゃん
お姉ちゃん

ボク
ボク

所得税から生命保険料控除を受けるよりも、株の利益にかかる所得税のが高くなるから、確定申告はやめて住民税の申告だけをしよう!

お姉ちゃん
お姉ちゃん

??

 以前の記事「休職中の住民税とふるさと納税の注意点」(内部リンク)で、休職中でも年末調整生命保険料控除の申告はできるけど、会社の人に頼まなければいけないことに触れました。

 『お姉ちゃん』はそれがイヤで確定申告で生命保険料控除を受けるつもりだったのですが、思わぬことが起きました。

 細々とやっていたの取引で、20万円以下ながら、利益が出たのです。

 それが生命保険料控除とどう関係するのか?

 というのが今回のお話です。

一般口座による株取引で、20万円以下の利益が出た場合

 令和3年、お姉ちゃんは弟くんに勧められて、米国S&P500に連動するETF(上場投資信託)を少し買っていました。

 米国株のおまとめセットのようなものです。

 たまたま相場が一本調子で上がったため、10万円ほど利益が出ました。

 さて、弟くんはしっかり者そうに見えて、実は後先考えないギャンブラーな一面もあります。

「米国S&P500を買え!」の世間の声に乗り遅れまいと、よく調べずに証券口座を開設して、取引を始めてしまっていました。

 その際、「20万円以下の利益なら確定申告不要」という聞きかじりから、そんなに儲けないだろうから税金は関係ないと考えてしまいました。

 そのため、開設した口座はNISAでも積立NISAでも「特定口座」でもない、「一般口座」でした。

 親切心から、お姉ちゃんと一緒に。

上場株式等とCFDでは損益通算不可

 年の途中、ETF取引で利益を出して、気が大きくなった弟くん。

 どうせならレバレッジをかけられるCFD(差金決済)取引をやろうと考えて、お姉ちゃんにも同じように持ちかけました。浮かれたまま、よく調べることなく。

 お姉ちゃんは勧められるまま、弟くんと一緒です。

 しかし、市場の変化とレバレッジ取引の勝手の違いに、ETF取引による利益を帳消しにして余りある損を出してしまいました。

 泣きそうに謝る弟くんに対し、まあ、もともとあぶく銭だし、とお姉ちゃんがなぐさめる一幕がありました。

 ところがその後、ETF取引とCFD取引は損益通算できないことを、弟くんは知ります。

 つまり、ETFとCFDの取引をトータルするとマイナスでも、ETFで出した利益はCFDから出た損失に関わらず、課税対象となるのです。

 このことを知ってから、またまた謝る弟くんとなぐさめるお姉ちゃん、という一幕が繰り返されたのです。

20万円以下の譲渡所得にも住民税は課税される

 さて、損益通算のことまで知る頃には、20万円以下の利益について確定申告は不要でも、住民税の申告は必要、ということも弟くんは知っていました。

 弟くんは、非課税となるNISA積立NISAを使うことなく、ましてや自動で損益計算がされる「特定口座」も使わず「一般口座」で取引を細々とやってしまったことを後悔しつつ、数百件にも及ぶ取引履歴から、頑張って自分で損益計算をしたのです。

所得税の確定(還付)申告をするのであれば、20万円未満の所得も併せて申告が必要

 株(ETF含む)取引の利益による譲渡所得については住民税に申告するとして、年末調整で申告しなかった生命保険料控除のための還付申告は別に考えていました。

 所得税の還付申告をすれば、その情報は住民税にも連動するので、弟くんは生命保険料控除の申告と併せて、10万円の譲渡所得も含めて申告しようとしました。

 マイナンバーカードとスマホを使って、e-Taxを利用します。

 するとどうでしょう、所得税は生命保険料控除の分だけ還付になるはずが、申告前の試算画面では追加の納税が必要になると表示されていました。

 そこで察しつつも、税務署に聞いたのです。

 還付申告をするのであれば、20万円未満の譲渡所得も併せて申告が必要で、申告した譲渡所得に所得税がかかりますか? と。

 答えは、その通りです。

 となると、生命保険料控除のみで還付申告をして、10万円の譲渡所得は住民税でのみ申告する、ということはできません。

 所得税の生命保険料控除は諦めて、確定申告をせずに住民税のみの税申告をするか、確定申告をして譲渡所得にかかる所得税を納めることにして、生命保険料控除を受けるかです。

影響額試算

 年末調整で生命保険料控除を申告しなかったことが悔やまれますが、今となってはどうする方がよりマシか、弟くんは計算しました。

 休職中のお姉ちゃんについて前提となる数字は、ETF取引による利益が10万円、年末調整で未申告の生命保険料控除額も8万円所得税の税率は5%です。

 上場株式等(ETF 含む)の譲渡所得にかかる所定の税率(申告分離課税)は、所得税15%(住民税5%)です

 復興特別所得税額(所得税額の2.1%)は省略します。 

 なお、お姉ちゃんが休職に入ったのは年の途中からのため、多少の給与の受け取りがあり、給与所得は各種控除後も0にはなりません。

譲渡所得にかかる所得税額10万円✕0.15=  15,000円
生命保険料控除により減額される
(マイナスとなる)所得税額
-8万円✕0.05= -4,000円
[確定申告した場合の所得税額増減試算]

 つまり、②の4000円分の還付を受けるつもりで還付申告をすることで、①の15,000円の所得税額が増えるされることになり、還付を受けるどころか、余計に11,000円の納税額が発生するのです。

お姉ちゃんの疑問 ”ところで「ふるさと納税」は?”

お姉ちゃん
お姉ちゃん

う~ん、要するに、年末調整で生命保険料控除を申告しなかった分、4,000円は損してる

だけど、4,000円を取り戻そうとすると余計に損するから、所得税は触らないでおく、ということだね?

ボク
ボク

そういうこと!

お姉ちゃん
お姉ちゃん

ところで、前に「ふるさと納税」がどうとかも言ってなかった?

ボク
ボク

それね! 

住民税の申告をすることで、「ふるさと納税」のワンストップ特例も受けられなくなるから、それも含めて損得勘定したんだよ

お姉ちゃん
お姉ちゃん

ひゃあ、ややこしそう

ボク
ボク

うん、この話は次回にしよう

まとめ

・株取引の利益が年間20万円以下の場合、確定申告は不要だが、住民税は要申告

少額の取引でも、非課税となるNISAや積立NISAの制度を活用しましょう!

・ETF取引は上場株式の取引とは損益通算できるが、FXやCFDの取引とは損益通算できない!

 ETFでコツコツ得た利益を、CFDでドカンと消し飛ばしても、ETFで得た利益に対して課税されてしまいます

・確定申告するのであれば、20万円以下の譲渡所得も併せて申告必要!

 年末調整で申告しなかった生命保険料控除や、年末調整の対象とならない医療費控除の適用による減税額よりも、20万円以下の給与以外の所得による増税額の方が大きいかもしれません


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